2022年11月15日～26日
冬の訪れを感じる11月後半の店内ギャラリーは、2回目の門田知佐子さんの個展でした。パリやノルマンディーを旅した時の光景を、スナップショットを撮るように切り取った作品群です。小さな小さなマッチ箱のような木に描かれたかわいい作品から、額入りの大きめの作品まで。一つはおうちに飾ってみたい、または前回購入して2枚目も欲しいなあと、今年の個展を楽しみにしていたお客様も多い、待ちに待った展覧会でした。
●搬入は、アート仲間が応援
2年ぶりのパンオスリールでの個展。準備された作品たちは、包みを開けるたびに「素敵！」「欲しい！」と心が躍るような作品ばかりです。
搬入は、いつも情報交換をしたり、パンオスリールでお茶をしたり、お互いの個展でサポートしあう仲の皆川さん。今年前半の皆川さんの個展では、門田さんがサポートしました。自分だけで見るよりも、もうひとりの経験者がそばにいると、客観的でもあり、主観的にわかるわかると励ましたりしながら、よりよい場づくりができるのかもしれません。パンオスリールとしては、アーティストの皆さんがつながる様子を見るのが、とてもうれしい瞬間です。
●パリとノルマンディー。憧れの地がすぐそこに
門田さんの作品は、木片や木のキャンバスに、黒い油絵の具を何度も塗ってから、絵の輪郭を削っていくという、独自の技法です。まさに「パリの輪郭」が、彼女の手で一つ一つ彫り上げられていくのです。
マッチ箱のような小さな作品も、裏に隠されたピンで、それぞれ壁に飾ることもできます。絵の素晴らしさとともに、持ち帰った人がどんなふうにお部屋に飾れるかも想像した、きめ細かな想像力がうれしいと感じました。
黒の輪郭を際立たせ、やさしくおしゃれなパリの街を描き出す色は、赤、サーモンピンク、黄色、ブルー・・。どれも、作家がこだわりぬいた独特のカラーです。
●ふらりと来店した方の心に届くアート
門田さんの作品を見に来るのは、アート仲間や友人たち。そして、最近彼女の絵を知るようになった、ツイッターのファンの人たちなど多岐にわたります。
Instagramのファン、ツイッターのファンなど、新しいファンは海外や、若者にも広がり、新たな広がりを見せているそうです。
また、パンを買いに来た人、店内でお茶をする人たちが、必ずと言っていいほど、ゆっくりと絵を見ていきます。パリを旅したことのある人、また、パンが大好きな人にとって、パリの風景はとても身近なものなのかもしれません。
初日を目指して購入する絵を選びに来たお客様もあり、うれしい交流も生まれました。
ほぼ毎日ゆっくりと在廊した門田さん。パンオスリールで個展を開催したアーティスト、来年初めての個展を予定しているアーティストなど、楽しい情報交換もできました。
●会期を終えて 作家のSNSより抜粋
好きな絵を描き
素敵な空間に展示させていただけたこと…
私は幸せです
『パリの輪郭』-nostalgique-
本日、無事終了しました
2週間に渡りたくさんの方々に来廊いただきそしてご高覧いただけたことを心より感謝申し上げます
パリ旅行のスケッチから
私の『パリの輪郭』は始まりました。長いこと開くことのなかった滲みだらけのスケッチブックは私の宝物
次回の個展への夢、テーマを考えながらこれからも心の旅を描き続けたいと思います
最後にオーナーご夫妻、スタッフの皆様2週間、大変お世話になりました
ありがとうございました
門田知佐子 画歴
1996 第22回現代童画会展 初入選
2003 第29回現代童画会展 会友奨励賞受賞
2006 第32回現代童画会展 会員佳作賞受賞
2007 第33回現代童画会展 文部科学大臣賞受賞
2009 神保町「北の丸tinyギャラリー」にて
『パリの輪郭』初個展
現代童画会「セルビア展」に出品
2010 神保町「北の丸tinyギャラリー」にて
『パリの輪郭』Ｖol.2個展
2012 自由が丘「tinyギャラリー」にて
『パリの輪郭』Ｖol.3個展
2013 原宿「積雲画廊」にて童画会グループ展
2013 横浜そごう「ギャラリーダダ」にて個展
2015 原宿「積雲画廊」にて童画会グループ展
2016 横浜そごう「ギャラリーダダ」にて『パリの輪郭』個展
2018 横浜そごう「ギャラリーダダ」にて童画会グループ展
2019 横浜そごう「ギャラリーダダ」にて『旅の輪郭』個展
2020 渋谷「パン・オン・スリール」カフェコーナーにて個展
2021 横浜そごう「ギャラーダダ」にて『旅の輪郭』個展
2022 宇都宮市「ギャラリー部屋の灯」企画展へ出展
2022 箱根宮ノ下「NARAYA CAFE」ギャラリーにて個展
FB(https://www.facebook.com/kadota.chisako)
Instagram(paris_rinkaku) Twitter(@rinkaku1965)
作家より・・・・・・・・・・・・・・・・
1996年から2018年まで美術団体「現代童画会」所属（委員）を経て現在は東京都内や横浜で個展、グループ展を中心に活動を行っています。絵を描くことは旅をしているようなもの、訪れた場所を思い出しながら描く風景はいつまでも色褪せることはありません。
前回の個展レポート
【報告】ギャラリー89『旅の輪郭』パリ・ノルマンディーの風景～門田知佐子個展 2020_09 – Pain au Sourire (pain-au-sourire.jp)
