新店舗の内装について、これまでイベントや食器販売応援などで仲良くさせていただいてきたフェアウッドパートナーズさんに、相談しました。森の酵母にふさわしく、木をたくさん使ったおしゃれでくつろげる空間にしたいという希望をお伝えしました。
まず、フローリング。国産の無垢の木は、高くてパン屋の店舗ではとても手が出せない。まちのおしゃれなカフェでも、そうした無垢の木は使っていないと、言われてきたのですが、森林組合に全国のネットワークを持つフェアウッドパートナーズなら、私たちのイメージに合った木材を、直接仕入れることで利用できそうです。
10月半ば、早速、サンプルを見に、フェアウッドパートナーズを主催する国際環境NGO・FoEジャパンにお邪魔しました。
事務所スペースの中に、国産広葉樹を使った来客用のスペースがありました。使い始めて1年で、いい色に変化してきています。
店舗の予想図面と、たくさんのサンプルを見比べながら、イメージを固めていきます。
人が歩く床には、さくらや楢などの広葉樹が向いています。無垢材を間伐材でサンドした床材もあると聞きました。国産の木は、白っぽい色が多いので、店の内装デザインに合わせ、ダークブラウンやオークに着色することもできるそうです。
店内の壁の足元を貼る「腰板」や、椅子やテーブルなどの家具についても、フェアウッドなものを選んでいけるよう、ブレストを行いました。
これまでのパン小屋のイメージをそのまま持っていけるよう、枝打ちした枝も、看板などにあしらいたいという希望を出すと、里山保全のために枝打ちしているところからいただけるかもしれないというアイディアも出ました。
フェアな木に、どこまでこだわれるか、小さなパン屋でもできる森林保全に挑戦です。
※森の酵母・パン・オ・スリールは、森を守る活動を応援します。
・・・では、森を守るって、どういうことでしょうか?
世界の森林は、様々な原因がからまって、猛烈なスピードで減少・劣化していることは、知っている人も多いと思いますが、森がなくなることは、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか?
森が吸収してくれる温暖化の原因CO2が増えてしまうこと、森にすむいろいろな生き物の居場所がなくなることで生態系が変化してしまうこと、森を中心とした生活や文化を持つ地域住民の生活が持続しなくなること・・
つまり、今の地球の暮らしが子供や孫、その子供たちの代まで持続しなくなる可能性をはらんでいるようです。都市で生活しているとなかなか実感しづらいことですが、週末に近くの山に入ったとき、森林浴をして気持ちがよくなったり、美しい紅葉や鳥の声に触れて心が洗われるときに、「森を守りたい」ときっと思うと思います。パン屋的には、おいしいパンのもとになる「森の酵母」の恵みをいただけなることは、存続にかかわることです。
では、森を守るには何をしたらいいのでしょうか?
木を植えること? 木を切らないで、山をそっとしておくこと?
東南アジアやロシアやアマゾンや、世界中から価格の安い木材を輸入している日本は、広い森林を保有しており、その日本の木材を「使わなく」なったために森が手入れされなくなることで、健やかな日本の森が持続しなくなっているようです。私たちは、想像力を働かせ、違法伐採している輸入木材を使うことから、適切に国産材を使って山の木を育て続けることにチェンジすることが必要なのです。
※フェアウッドとは、
・最低限、違法伐採でない木材(違法伐採、生態系破壊、地域社会への悪影響、絶滅危惧種の恐れ) [合法材]
・近くの森林から生産された木材 [国産材・顔の見える木材]
・地域住民が自ら適切に森林管理している木材 [コミュニティ材、フェアトレード]
・生態系や社会に配慮して持続可能に管理された森林からの木材 [森林認証材]
・修理・再生した木製品 [Reduce, Reuse]
・古材や廃材を 再使用した木製品 [リサイクル]