【報告】ギャラリーNature’s Precious Project Mari Wirth Solo Exhibition 2018_05

2018年5月1日~5月26日

 

Nature’s Precious Project

緑の国の物語 (英国ウェールズより)

 

 Every Creatures shares         生き物たちは

The Enjoy sorrow          喜びと悲しみを共有する

The light and shadow show     光と影が見せるのは

How riveting the nature’s project is!  自然の営みの素晴らしさ

 

森は文字通り、多くの木が生い茂る場所。大きな森もあり、小さな森もある。古い森もあり、新しい森もある。住宅地の端っこにある 自宅からそれほど遠くない所に鉄器時代の遺構が眠る森がある。

 初夏の森は、生命の躍動と喜びに満ち溢れている。木漏れ日のあふれる静かな森を歩いていると、遠くでキツツキが幹を突く音が響いてくる。鳥たちのさざめきが、そこかしこから響いてくる。

 その森のある場所に、毎年初夏の限られた数週間だけ花を咲かせる植物がある。

Hearb-Paris。森の豊かさと古さの指標でもある。4枚の大きな葉がすっと伸びた茎から外側に均一に開き、その上に、緑の小さな花がついている。ブルーベルの青紫の可憐な花と、ワイルドガーリックの純白の花に囲まれて、よく見ないと、見落としてしまう。ある一定条件のそろった環境でしか育たない Herb-Paris。散歩の際に、何度も出会った、この森をこよなく愛する紳士が教えてくれた。この花を見つけた時の感動は、言葉に尽くせない。

 微生物から動物、植物たちが寄り添い、共存して、森という一つの生命体を作っている。ほんの小さな微生物たちが土を作り、そこへ根を下ろした小さな植物。やがて木が育ち始め、動物たちが住処を求めてやってくる。生物たちは、生も死も共有しあい、それを綿々と繰り返していく。そして気の遠くなるような時間が経った今、私はその素晴らしい生命体の宿る森を歩く。

 森の周りには野原、野原の果てには海。大地と海は空でつながる。自然が作り上げてきたこれらの営みは、ほとんど奇跡である。この自然のプロジェクトを、私はそっと見守りたい。

 

 

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この、美しく感動的な文を書いたのは、今回の作家・Mari Wirthさん。

英国ウェールズで、家族と暮らす日常の中から、自然への愛情と畏敬の念を育んできました。

森と、それを育む植物、小動物を、穏やかな視線で切り絵に表現した数々の作品を、日本に送ってくれました。

森の恵みをいただいてパンを焼くパン屋での、ギャラリー展示となりました。

彼女の作品を見ていると、私たち人間もまた、その自然の一部として生かされているということを感じます。

 かつて、多くの人が、心を揺さぶられた、環境保護のバイブルのような本「センス・オブ・ワンダー」を彷彿とさせる、静かで強いメッセージです。

以下のサイトから、Facebook、Instagramにも飛ぶことができます。特にInstagramは、切り絵や写真と、ひとつひとつの物語を一度に見ることができるので、必見です!

https://mariwirthpapercutart.com

 

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●作品紹介--------------------------------

その製造過程と、環境への配慮など

切り絵原画

原画は、下書きから切り絵用下絵をおこし、黒画用紙へトレースした後、髪をカッターナイフで切り抜いて制作。ごく普通のカッターナイフ一本ですべての作品を切り抜きます。

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スクリーンプリント

原画をスキャンし、色分解した版をおこし、色数だけのステンシルを作って、スクリーンプリントを製作します。

風力発電を利用した紙を水溶性アクリル絵の具を手刷りした、限定版です。原画の原寸大。

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レザーカット

スクリーンプリント同様、原価をスキャンし、版を起こし、レザーカット加工機で原画通りにカットしています。細かい切り絵(Nature’s Projectシリーズ)は、1点を切り抜くのに2時間近くかかっています。オリジナルは切り抜くだけで、その3倍以上かかります。

限定版は、ビール工醸造過程で出る繊維かすを再利用した特殊な厚紙をカットして作っています。

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この、小型のスタンドは、フェアトレードのインド製品です。

 

 

グリーティングカード

こちらも、紙にも環境への配慮。風力発電した100%再生紙を使用しています。

写真にしっかりうつっていませんが、オーガニックコットンのティータオルも人気でした。

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撮りだめた写真--------------------------------

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●プロデユースは、Junko Atsumi----------------

今回の個展は、日本から遠く離れた異国に住む友人のために、パンオスリールで何度も個展やグループ展を行っている、コラージュ作家・anzuさんこと、Junko Atsumiさんが、企画・準備・会場レイアウトから搬入まで、すべてをプロデユースしました。

作品の配置や写真の見せ方、全体レイアウトなど、空間を見事に活用した展示は、パンオスリールの展示のお手本。

今回の展示そのものが、コラージュ作家の壮大な作品かもしれないと思うと、いろいろなことが、とても腑に落ちてきます。

そういう意味では、今回の個展は、おふたりの共同展ともいえるのかもしれません。

anzuさんは、後述するワークショップでも講師を務め、お話会を盛り上げました。

彼女のウエブサイトはこちら http://pase.petit.cc/

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Mariさんのスケッチと写真を美しく配置したanzuさんの見事なコラージュ

 

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シートで販売する作品をわかりやすく配置  などなど工夫もいっぱい。

 

 ●Mariさんが日本にやってきた!------------------

3週間、パン屋のお客様を魅了し、すでにたくさんの作品やグッズのお嫁入りが決まった最後の週、満を持して、作家が帰国・来日しました。

自然を愛する彼女は、人もまた大好き。ご自身の知人友人はもちろんのこと、気さくな人柄で、我がスタッフや、パン屋のお客様たちとも、たくさんのおしゃべりをしました。ウエールズの日常、作品の制作過程、英国のアーティストの状況、家族の話、好きな本の話など、話題は豊富で、人間的な魅力にあふれたひとです。

もちろん、パン屋で展示をするくらいですから、パンも大好き。

朝はモーニング、昼は友人とランチプレート。夜も宿でサンドイッチをぱくぱく・・。

パンをたくさんほめてもらってうれしいパン屋です。

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Mariさんが撮ったパンの写真。モーニングセットのわきには、読みかけの本。木には感情があるそうです・・!という本。

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ワンコ連れさんも鑑賞にきましたよ!

 

●ワークショップ--------------------------------

 

ウェールズからやってきた、切り絵の展示も最終週。5月23日の夜は、来日した作家を囲んで、ウェールズの森のかけらを使ったコラージユのワークショップとお話し会がありました。
満席の参加者は、パンを囲みつつ、思い思いの作品作りや、異国の森に、思いを馳せました。

詳しくはこちらをクリックしてください。http://pain-au-sourire.jp/?p=8459

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●森のパーティ-------------------------------

会期終盤に、親しい友人のみなさんと、パンを囲んで懇親会がありました。

森をイメージして、サンドイッチやフルーツなどをご用意しました。写真はanzuさん。

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●フェアウッドへ寄付のサプライズ----------------------------------

会期最終日の前日、急きょ、Mari Wirthさんの提案で、店内で展示しているウェールズの自然、草花の写真を、お客様に差し上げることになりました。

気に入った1枚をお持ち帰りの際は、お志を、店内で国産の食器やおもちゃを常設販売しているフェアウッドカフェへ募金いただき、森を守る活動につなげたい、という提案です。

多くの方が参加し、思い思いの写真を、大事に持ち帰りました。総額はなんと、4705円になりました!!

フェアウッドのプロジェクトにお渡しし、活動に役立てます。

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思いついたらすぐやろう! POPを書くMariさん

 

●会期を終えて Mariさんより---------------------

 

Nature’s Precious Project: 緑の国の物語」
5月1日より東京・渋谷のパン・オ・スリール さんで開催してきた個展が終了しました。
実にたくさんの方々に訪れて頂き、本当にありがとうございました。
来て頂いた方々、作品類をご購入頂いた方々のみならず、この個展を支援してくださったみなさんに、心からお礼を申し上げます。
それから、この個展を提案、企画して、準備から神技の展示それに運営と、最初から最後まで手伝ってくれたコラージュ作家Junkoさん、この個展の企画を快諾し、やはり企画段階から最後まで支援してくださった、パン・オ・スリールのMichikoさんには感謝し尽くせません。

… そしてパン・オ・スリールのご主人、スタッフのみなさんにも、感謝の意を表します。

(I accidentally deleted the previous post, but this is the same as the previous one)
‘Nature’s Precious Project: A Story of the Green Kingdom’ has finished with a great success today after 4 weeks.

Huge thank you everyone!

I’d like to send a special thank you to my great artist friend, Junko, who suggested the idea of this exhibition and helped me physically and mentally from the beginning to the end.
I’d also like to express my gratitude to Mrs&Mr Sudou of Pain Au Sourire and all members of staff!

 

 

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プロフィール------------------------------------

Mari Wirth (ヴィルト マリ)

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切り絵アーティスト&イラストレーター、イベントオーガナイザー

神戸生まれ

1994年に日本を離れ、ドイツ在住の後、2000年より英国ウェールズ州南東部に在住

 

嵯峨美術短期大学ビジュアルデザイン専攻卒業

アートセラピー基礎コース修了, City of Bath College

 

緑あふれるウェールズの森や野原といった自然の営みから 物語性ある繊細な切り絵の制作活動を展開。切り絵の原作を元に、スクリーンプリント、レーザーカット、CGを用いたイラストレーションなどを手がける。

ウェールズのアーティスト、クラフト作家の作品紹介の機会を提供するため、2017年に立ち上げた ‘Ichi Artisan Market’を主宰、展開中。

 

出展歴

2017年冬:‘Winter Affordable Art Show 2017’, グループ展,  ギャラリーCardiff M.A.D.E., カーディフ UK

2017年夏:’Bloom’, グループ展,  ギャラリーCardiff M.A.D.E., カーディフ UK

2016年冬:‘Winter Affordable Art Show 2016’, グループ展,  ギャラリーCardiff M.A.D.E., カーディフ UK

2016年夏:‘Floribunda’, グループ展,  ギャラリーCardiff M.A.D.E., カーディフ UK

2015年秋:‘when you walk in woods and meadows’, ギャラリー moi, 兵庫県加古川市

 

リンク

http://mariwirthpapercutart.com

Facebook: Mari Wirth –TreeLeaf-

Instagram: maritreeleaf

Twitter: @mari_treeleaf

 

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