【報告】ギャラリー「こんやいっしょに月をみよう」 てつがく朝カフェ「永遠」について考える

11月11日(土)10:00~12:00 [講義+哲学対話] 「永遠」について考える

11月のギャラリー個展を開催する石田絵美子さんの作品は、主に哲学者、九鬼周造の「時間の永遠化」をメインテーマにしています。

「こんやいっしょに月をみよう」が始まって10日。店内では、石田絵美子さんの作品のベースとなる、九鬼周三の哲学についての勉強会が開催されました。

上智大学大学院で近代日本哲学を研究していらっしゃる岡田基生先生をお招きし、「永遠ってどういうこと?」という疑問を分かりやすく解説。

定員を大きく上回る参加者が‘’永遠‘’をテーマに語り合い、石田さんの作品をより深く理解し鑑賞していただく機会にもなりました。

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◇講師紹介◇

岡田基生(おかだもとき)

上智大学文学部哲学科入学後、真善美を追求する学問・道徳・芸術という営みの次元と、そのような価値を求める活動とは異なる宗教的、ないし霊的な次元の関係を大きなテーマとして研究を開始した。キリスト教と仏教、アジアの伝統と欧米の伝統を踏まえた探究を行うため、二十世紀前半に東西の伝統を総合しつつ新たな哲学の確立を目指した京都学派に注目し、その中心人物である西田幾多郎研究を通して示唆を得た人間の創造性に関する洞察を踏まえて、各人の創造性がさまざまな相互関係を通して発揮される社会を形成することを中心的課題として引き受けるようになった。このような課題は、西田幾多郎の弟子である三木清が、単に理論的にだけではなく、現実の社会改革運動として取り組んだものであり、三木清を中心的な研究対象とするようになった。 特に技術と社会の関係をメインテーマとしと扱っている。西田や三木だけではなく、九鬼周造や戸坂潤など近代日本哲学全体の研究を進めている。

◇作家紹介◇

石田絵美子(いしだえみこ)

幼少の頃から絵が好きで続けている。「自己の存在意義」と「女性の自立」について深く考え込む思春期を過ごす。考えても埒が明かない問題を横に、経済的に自立するために(米国)公認会計士を目指す。資格試験の勉強は過酷であると同時に建設的で心地良く、しばらく監査法人や企業で会計士として働く。2016年に哲学者九鬼周造の著書と出会い、再び自己の存在意義について考え直す。そこには、論理的且つ明快に人間の存在を肯定する回答が書かれていた。同年、ニューヨークで見たリチャード・セラの作品に影響を受け、鉄を扱い始める。自分にとって芸術表現=生きることであると認識し、現在は九鬼の哲学を柱に作品を制作中。日本の美を研究し、独自の方法で表現・伝承していくことも画家としての使命だと感じている。

また、絵本の制作にも精力的で、将来的には傷ついた子供に向けた絵本を作りたいと考えている。

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月が出る頃から、期間中2度目のパンパーテイ。壁面は、藍染の月夜に衣替え。今回の展示も、折り返しになりました

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