2019年4月2日~13日
桜満開の4月初旬の展示は、イラストレーター・上野健一郎さんの世界です。テーマは、花とおじさん!
これまでも、グループ展や、キットパスの絵画展で、パンオスリールに作品を提供してきてくれた上野健一郎さん。
絵と詩を組み合わせた作品など、独自の哲学的な世界を表現してきました。
今回は、頭に花が生えてきたおじさん。パンオスリールでの個展に向けて、新しい世界を表現してくれました。
ある日、頭の上に1本の花が生えたおじさん。
本人の意思とはうらはらに、お尻から、脛から、腕から・・次々と花が生えてきます。
一見ユーモラスでもありつつ、その心のうちを想像すると、おもしろい、楽しい、なんだかかわいい、だけではないものが見えてくるような。
そして、オジサンの絵の傍には、花をイメージした作品がちりばめられました。
会場の窓際の壁面には、家をモチーフにした作品。まるで、チョコレートのケースのように、かわいらしい家が並びます。
上野さん自身が好きで、ファンの方々にも人気のある世界を感じるコーナーです。
期間中は、上野さんのファンやアーティスト仲間が多く訪れました。上野さんは、音楽が大好きなアーティスト仲間が集まって「FAN」という展覧会を何度も開催しています。こうした多くの友人だけでなく、お店を訪れた多くの女性たちが足を止め、「オジサンと花、かわいい」という感想をたくさんいただきました。優しいタッチと、「オジサン」のモチーフは、女性たちの心に届いたようです。各所にある小さなイラストも、かわいい。
会期を終えて、上野さんは語ります。
「個展を開催すると、たくさんの人に見てもらえたうれしさと同時に、見てほしかったすべての人には、見てもらえなかったことが残念でならなくなる。
今回の花とおじさんは、絵本という形にして、広く多くの人に届けたいと思っている。
その時が来たら、また、パンオスリールでお披露目したいな。」
今回の個展でも、オジサンの絵の傍らに、絵本の文章の一部が公開されていました。どのような順番で絵が並ぶのか、どのようなストーリーとして完成するのか、楽しみです。
作家より---------------------
「困る」ということに対するリアクションにはその人が表れると思うのです。
騒ぐ人、怒る人、黙る人、苦しくなる人、…。
「困る」に向き合うと自分以外の何かが見えてきます。
近くにあるようで遠くにある何かが。
本展では『花が生えたおじさん』をモチーフにした絵画作品を展示します。
どうぞ見つめてみてください。
そして、もしも自分だったら…と考えてみてください。
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約2週間、恵まれた環境で展示をさせていただきました。… またおとなしく、次に向けて励みます。
ありがとうございました。
プロフィール------------------
上野 健一郎
東京都出身。神奈川県在住。
水彩画を主に絵画作品を制作。