2021年10月5日~16日
秋の始まりは、新進気鋭の作家さんの登場です。
山形に住む下田実來さん。
学生時代より本格的にアーティスト活動を行い、明日をひらく絵画 第39回 上野の森美術館大賞展では、優秀賞フジテレビ賞を受賞した実力派です。
上野の森美術館 – 上野の森美術館大賞展 – 受賞作品 (ueno-mori.org)
パンオスリールの個展では、彼女が日々、見聞きした情景を描きとめた作品がそろいました。
●搬入風景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山形の芸術大学に通うミライさん。授業の合間を縫って、初めての個展の準備をしてきました。
搬入日は、実家の東京に住むご両親が助っ人に。たくさんの作品を車に積んでやってきました。
受け入れ側も、大型新人の登場に、わくわく。
若者らしい自由な発想で、心象風景を生き生きと、描いた作品。
たくさんの色を使いながらもどこか落ち着いたあたたかな印象を与えてくれるのは、岩絵の具を用いているからかもしれません。
日本画家に師事し、基礎を学んできた技術を生かしながら、自身の描きたい世界を描く、あたらしいアーティストの誕生です。
こちらの写真は、ミライさんをパンオスリールに紹介し、個展をプロデユースした小谷野慶子さん。二人の二人三脚で、個展は実現しました。
搬入助っ人のお友達とスリーショット。
さて、搬入の最後は、キットパスを使ったウィンドウアートの挑戦です。始めて使う画材ですが「楽しい~」と大喜び。
こうした大きな絵を描くのが大好きで得意でもあるミライさん。のびのびとした風景を描いていきます。
完成。いつものキットパスの色とは全くちがうイメージ。ミライさんの色になっています。不思議。
●作品 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●お客様と心のメッセージ交換 卒業制作に向けて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回の展示では、お客様とのコミュニケーションツールを試すことに挑戦しました。
コロナ禍でいろいろな我慢をし続けた大学生たち。
卒業制作に向けて、訪れたお客様に、「あなたは大切な人と会えていますか?」という質問用紙をお渡しし、
書いていただいた答えをつかって、卒業作品をつくっていくというアイディアです。
答えてくれた方には、画の一部を切り取ったポストカード大の作品をプレゼントします。
思った以上にたくさんの方々が、このコミュニケーションに参加してくれました。
一言書くときに、逢えたこと、逢えなかったことをかみしめながら、大切な人のことを思い出しているようにみえました。
人なつこい性格のミライさん。大学生らしい素直なやりとりに、お客様たちと会話も弾みました。
●作品とミライに集まるたくさんのご縁 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミライさんは、できる限り、山形との往復に頑張りました。そして、プロデユースした小谷野さんもまた、ミライさんの穴を埋めるように、毎日パンオスリールにやってきました。
そのなかで、たくさんのアーティストや、常連のお客様とふれあうことができました。
作品を気に入って購入した常連のお客様が、偶然にもミライさんを訪ねてきた知人と知り合いだったなど、いろいろなミラクルもありました。
関心を持ってくれた方々に、ていねいに対応。初めての個展とは思えない堂々とした接客でしたよ。
パン屋のお客様が、奥の展示スペースまで気づいてじっくりと見ていくのは珍しいこと。
店に入った瞬間に、作品群に引き寄せられるように鑑賞していく人が多かったのも、今回の個展の特徴です。やりましたね~。
●スピンアウト ミライのプロフィール写真を撮ろう! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵を見に来たフォトグラファーさんが、店内で、ミライさんのプロフィール写真を撮ってくれることになりました。
撮影会は、パンを背景に和やかに開催されました。ちょっと大人っぽい、いい写真が撮れました!
ミライさんは、卒業後、東京に戻って活動を続けていきます。
ミライの未來をたのしみに、応援を続けていきたいと思います。ありがとうございました!
プロフィール・・・・・・・・・・・
下田実來
1997年東京都生まれ。
大学進学を機に山形に住む。
色彩豊かに身の回りの情景を切り取る作家