2020年9月1日~12日
9月の店内ギャラリーは、イラストレーター・見瀬理恵子さんの個展が開催されました。
スェーデンに家族とともに長く暮らし、その文化を日本にも伝えることに尽力してきた見瀬さん。日本に暮らす今も、大使館やスェーデンハウス、スェーデン車のVOLVOなどに協力し、様々な形で日本とスェーデンの架け橋となっています。
特に、スェーデンのお茶の週間・fikaについては、本も出版。
単にお菓子を食べたりお茶を飲むということだけでなく、ゆっくりと暮らすこと、親しい人たちとコミュニケーションを大切にすることなど、様々な意味で、いま、私たちにとってとても大切な意味を持つことを教えてくれます。コロナ禍以来、新しい暮らしかたを探る私たちにとって、お手本となるようでもあり、かつて日本にもこうした季節を味わう習慣についてたどりたくなるような、どこか懐かしい気持ちにもなる一冊です。
●おいしいものがたくさん!作品の数々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
見瀬さんからは、パン・オ・スリールでも、これまで開催された、スェーデンエコツアーの報告会や、fikaにまつわるイベントで、アドバイスをいただいてきました。
今回の展示では、季節を感じる食べ物を中心に、スェーデンの風景を感じさせるイラストがたくさんやってきました。
スェーデンで暮らし、スェーデンで子育てをし、その文化を小さな身体いっぱいに味わってきたイラストレーターが魅せるおいしいもの、美しい街並みなど。
描かれた絵のひとつひとつに、スェーデンの家族やご近所から見聞きした知恵や、共に味わった季節の行事など、見瀬さん自身の暮らしや思い出が、つまっており、いききと、見る者に語りかけてきます。
スェーデンに行ったことのある方にとっては、「このパッケージ懐かしい」「ザリガニパーティ懐かしい。今の季節ですね」と、思い出がよみがえり、行ったことのない方は、一度は行ってみたいと必ず思わせる作品たちです。
●著書とTシャツとポストカード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一昨年出版された著書「FIKA」をはじめ、今回の個展に合わせてつくったオリジナルTシャツやポストカードも大人気。
補充しても補充しても売り切れてしまうほどでした。
Tシャツは、パンオスリールの人気のパンとセットにして、ご来店がかなわない方のために通販セットを作りました。
●コラボメニューも登場「パン屋のセムラ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●フィーカを楽しむ スモルゴストータ(サンドイッチケーキ)のワークショップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
展示の期間中に、fikaでは定番のメニューのお料理教室を開催しました。大使館のパーティなどでケータリングもするお料理の専門家でもある見瀬さんは、これまでも三越銀座店やカフェで、お教室を開催してきました。
メニューは「スモルゴストータ(サンドイッチケーキ)」。日本ではケーキと言えば甘いものと皆が思いますが、スウェーデンの「サンドイッチケーキ」とはどんなケーキなのでしょう?パンを使ったケーキ! 皆でfikaを楽しむ、ワクワクのワークショップです。
募集と同時にすぐに満席になったため、急きょ、2回目も募集。コロナ禍のいま、感染に気をつけながら、少人数で開催できるデモンストレーション型で開催しました。
前半は、見瀬さんから、fikaについて、スェーデンの暮らしや文化について、スライドを見ながらお話を聞きました。
後半は、前日から準備をしたサンドイッチケーキのデモンストレーション。トッピングだけは、少しずつ体験し、皆でおしゃべりをしながらゆっくりといただきました。
ワークショップの時間が楽しいfikaの時間に。作り方を習うだけでなく、fikaを体験したワークショップとなりました。
●たくさんのたくさんのお客様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おしゃれで明るいアート、というだけではなく、その背景にあるスェーデンの人々の価値観や人生の考え方に、私たち日本人にもどこか懐かしく共感できるところがあった2週間でした。
おうち時間を大切にする伝統的な暮らしとIT先進国が共存する北欧の暮らしは、いまの私たちに興味深いなと感じる人も多く、ふだんの何気ない暮らし方を見つめ直す機会になったかもしれません。
作家より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プロフィール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・パレットクラブイラストスクールでは、ペーター佐藤、安西 水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。
・1986年からフリーランスイラストレーターとして雑誌、 広告などで活躍。
・1995年~2000年、2006年~2013年の間ス ウェーデンの首都Stockholmで暮らす。
・2013年の帰国を機に、子育て期間中しばらく休業してい たイラストレーションを新しい技法で再開。
・ 現 在 は 、 ス ウ ェ ー デ ンハ ウ ス ( 株 ) 、 Vo v l o c a r Japan(株)などのスウェーデン関連企業に、イラストレー ションや、コラムなどを提供。
・2014年友人と料理ユニットSPISENを始め、北欧関連イ ベントでの出店や、スウェーデン大使館イベントなどでケータ リングサービスを提供。
「Fika」ワークショップ開催など、「食」を中心にスウェーデ ンの文化を日本に発信中。
・2016年 「FIKA」出版(共著)
・2020年3月 maison de miel にて作品展「Ska vi fika(ス カ・ヴィ・フィーカ)」