【報告】ギャラリー72 どうぶつたち~コムロレイコ個展 2019_11

2019年11月19日~30日

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11月後半のギャラリー展示は、どうぶつでいっぱい。

現代童画展等で、数々の受賞をしている、コムロレイコさんが、パンオスリールでの個展に向けて描き下ろした、愛おしくなる動物たちの世界です。ひとつひとつの絵に展開されたいきものの表情や、色の重なり、質感に癒された2週間でした。

●動物たちのご来店----------------------

搬入の月曜日。定休日に明日の仕込みをしている静かな店内に、次々と動物たちが来店しました。

ユーモラスで、カラフル、形もユニークな作品にワクワク。どんな壁面になるか楽しみです。

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搬入日は、もう一か所でも展示を予定している大忙しのコムロレイコさん。

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●パンオスリールの壁面を歩く動物たち--------------

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 圧巻は、奥のカフェスペース一面にぎっしりと集まったユニークな動物たち。色もカラフル。なんと、段ボールに描いた作品です。立体的に紙を重ね付けしたり、紐をめぐらせたり、素材を楽しむ彼女ならではの世界です。

そして何より、動物たちの表情が豊か。骨格や筋肉の付き方などは、その昔、動物園でアルバイトして毎日動物を見続けただけあり、しっかりとリアルでありながら、表情はポップでユーモラス。

パンを買いに訪れる多くのお客様が「かわいい」「癒される」と評判でした。

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店内窓際のカフェスペースの壁面には、「ガラス絵」。冬の訪れを感じる森の動物たちの様子が、童話の中から抜け出したよう。ひとつひとつの絵に、物語を感じる、静かな世界が展開されました。

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●小物もいろいろあります----------------------

入り口を入ってすぐの棚には、小物がいろいろと並びました。

今回の個展に合わせてつくったという「ネコ頭巾ちゃん」。こけしです。どうしてこんなものが思いつくのか。コムロさんの頭の中はどうなっているのか(笑)。皆が手に取ってにこにこしてしまうこけしです。

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こちらはマグカップ。犬、猫、鳥。人気の動物たちをプリントしたカップはプレゼントに購入する人も。

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そして、童画展のお仲間とつくった、タロットカード。様々なアーティストの世界が楽しめる。これは珍しい逸品です。

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●パンとアートと仲間たち----------------

初日から、コムロレイコさんのもとには、アーティスト仲間であり、パンオスリールの常連でもあるアーティストたちが訪れました。

店内は、この日がクリスマスシュトーレンの販売開始と合って、箱詰め作業で大忙し。

アートを見る人と、パン屋の作業をするスタッフが自然に同居しているいつもの光景です。そんな雰囲気に、慣れている常連アーティストさんとともに、コムロさんもまた、それが当たり前のようになじんでくれた、うれしい初日でした。

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●場を楽しむ人------------------------

期間中は、本当に多くのファンの方や、アーティストのお仲間がやってきました。

コムロさんのいないときにも、作品に会いに、ゆっくりと店内を回って鑑賞してくださる姿をたくさんみかけました。

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また、この時期、超多忙なコムロさんは、それでも足繁くパンオスリールに現れました。

「自分の作品に囲まれた空間を楽しみたい。そして訪れる人たちの様子も感じたい。」

「ただ作品を搬入して会期中はおまかせ・・という展示会は、今年はやめました。」と語るコムロさん。

会場を選び、この場所にはどのような作品をおいたら映えるだろう、どんな空間が創れるだろうと思いを巡らせ、いっきに作品を仕上げたということです。会場に選んでいただき、光栄なパン屋です。

同時期に2か所で開催した個展と二人展。パンオスリールでは、パン屋という場所に合わせて、明るく楽しいキャラクターが、店内を歩き回っているような雰囲気づくりを。

阿佐ヶ谷のギャラリーでは、絵画的な作品を。もちろんすべて、どうぶつ。

そして、ひとつひとつの作品が、どこかのお家に飾られた時のことまで想像し、その形や材質を考えることも、楽しい作業だと語ります。

とにかく、つくりたい、描きたい、やりたいことがたくさん。その強い思いと衝動が、これまでも、これからも変わらず彼女を動かす原動力となっているのです。

 

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さてさて、パンが大好き、おしゃべりが大好き。いろいろな人と交流。

↑スタッフとも。。

パンを食べに訪れたご家族連れと。。↓

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即興で、オリジナルハンコを使って子供たちとミニワークショップ。お土産にカードをもらった子供たちは大喜びです。

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ほかにも、ランチタイムに相席した老夫婦の方と、すっかり仲良しになって話し込んだり。

パン屋は老若男女、様々な方が利用する場所ですが、あらゆる方とすぐに打ち解けられる才能ももったコムロサンです。

 

最終日は、「現代童画展」のお仲間を中心に、次々とお客様が。

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そして搬出も、集まった作家たちが皆であっというまに片付け終了。何でも早いコムロサンなのでした。

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〈作家よりコメント〉-----------------
こちらで個展をしていた友人作家の武永リヨさんの展示風景を拝見したときから、美味しいものと 好きな人たちが集うこの場所で個展ができたらさぞ素敵だろうな~とずっと思っていました。
 
紹介していただき個展開催につながったこと、とても感謝しています。
 
わたしの描き出す動物たちが 美味しいパンとアートと人との繋がりを愛おしむこの空間で、皆さんとご一緒できる事がなにより嬉しいです。
二週間 パン・オ・スリールの仲間として壁や棚に住まわせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
〈作家プロフィール〉----------------
 
コムロレイコ
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千代田工科芸術専門学校イラストレーション科卒業。同専門学校にてデッサン教務助手を経て、その後玩具パッケージデザイン会社に就職。イラストレーター、デザイナー兼務。オフィス勤めが性にあわず退職。某大型テーマパークの美術造形スタッフとして参加。エイジングペインターを経験。すっかりガテン系の職種にはまり、現在建設物の修繕、補修業務を生業とし、平行して作家活動中。
 
2001年より作家名コムロレイコとして本格的に作家活動開始。
東京都内、横浜を中心に個展開催。グループ展、企画展など多数参加。
2010年全国公募 現代童画展初入選。2016年第42回現代童画展会友奨励賞受賞。現在 現代童画会会員。
 
 
工作のような、ものづくり感覚を楽しむ制作スタイルが基本。カラフルな色使いと共に用いる身近な素材のコラージュ。質感を楽しみながら構成していく作風。それによる存在感のある生き生きした動物モチーフが特徴。作品と出会う人たちが 面白がりながら生きるエネルギーがそこに生まれるような、そんな展示を目指している。
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onmoteura

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